折々の記 49

月見と団子


   秋も深まり、寒露(10月8日〜22日)の節気を迎えました。朝夕は肌寒く空気は澄んで月も冴えわたり虫の声も盛んです。
  中秋の名月は9月21日の満月ですが、10月18日の十三夜も月遅れのお月見として有名です。十五夜の満月までに2日ありますが、満ち足りているより少し手前の方が玄人好みなのかもしれません。つるべ落としの秋の日と入れ替わるように東の空に姿をみせはじめます。

  昔の人は月に名前をつけました。十五夜の満月につづく十六夜はいざ宵です。月が出るのをためらっている感じをあらわしています。十七夜は立って月の出を待つ立待月(たちまちづき)。十八夜はさらに月の出が遅くなるので座って待つ居待月(いまちづき)になり、座っていても出ないので横になって待つ寝待月(ねまちづき)。さらに夜更けまで待つ更待月(ふけまちづき)に、明け方まで待つ有明月(ありあけのつき)と続きます。
  新月にむかって月が細っていく様子をながめながら月の出を待っていたのでしょう。月の出は毎日50分ずつ遅れていきます。

  ところで、お月見にはススキと団子がつきものです。そこで団子づくりにチャレンジしてみました。団子粉100gを水80cc、砂糖20gとまぜてよく練り、少し硬めに練り上げたら10gずつ切り分けます。手のひらの上でころがすように丸めて沸騰した湯に投入します。団子が浮き上がってきたら更に2分ほど茹でて冷水に移して月見団子の完成です。タレは醤油大さじ2杯に本みりん大さじ5、砂糖大さじ4、水大さじ4を火にかけて、沸騰したら水溶き片栗粉を大さじ2加えて完成です。団子にタレをかければできあがりです。

  作ってみると市販のものと遜色ない出来栄えになりました。そして月の出を待つことなく団子は無くなっていました。