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折々の記 墓じまいの悩み
人生の終わりが見えてくると、遠く離れたところにあるお墓が気になりだしました。
これまでは父親が苦労してたてた墓なので、いずれはそこに入ればいいだろうと軽く考えてました。
でも、片道を車で一日かけていく墓参りが年とともに大変になり、それを子供らに引き継いでも、いずれは誰も訪れない墓になるにちがいありません。
そう思うとこの際、墓じまいをしておいた方が良いだろうと思うようになり、手探りで進めていくなか色々な問題がでてきました。
我が家の墓はもともと集落で管理していた墓地にありますがあるとき市が管理する墓園にかわり、市町村の合併にともなって大きな市の管理下に入ると、墓を利用できるのが市内在住者に限られてしまいました。
最近、どこでも放置された墓が増えているので、墓園を管理する市としてはやむをえない判断なのかもしれません。
ただ、親の代からの墓があって遠方で暮らしているものにとっては晴天のへきれきでした。
このお墓の利用制限については、数年前に母親が亡くなったときに知りました。
市の墓地係から『お母様は県外におられたのでお墓には入れません』と言われたのです。
そう言われても、先に入っている父親と別々にするのは忍びないと言うと、『それなら黙ってお墓に入れておいたらどうですか』といってくれて、とりあえず納骨だけは済ませました。ですから市には埋葬許可証を出さずに手元に残しています。
併せて言われたのは、『お父様については埋葬許可証が出されていないのでお墓に入っていないことになっています』と。
いまさら27年前のことを言われてもどうしようもありません。
その時はお墓の中まで調べることはないだろうから、そのままにしておこうと思いました。
ところが先日、墓じまいの意向を市に伝えたところ『たとえ墓じまいをしてもお父様の改葬許可証は出せませんよ』というのです。
書類の上では埋葬されていないので改葬はありえないというのです。
法律上、改葬許可証がないとお骨を移動できません。つまりお寺は受け入れができないために永代供養ができないのです。まことに悩ましいことになりました。
となると残された道は海洋散骨しかありません。
これなら改葬にあたらないので改葬許可証はいりません。
最近では家の近くの港からチャーター船にのって散骨する人が多増えています。考えようによっては命の母である海に帰ってもらうのも良いかもしれません。
でも一か八か、父が最後に住んでいた市に連絡して埋葬許可証の再発行をたのんでみました。
埋葬許可証は多くの場合、葬儀屋が遺族に代わって死亡届けを役所に提出して火葬許可証をもらいます。それを火葬場に提出すると埋葬許可証がもらえますので、納骨の際には墓地の管理者に提出します。
父親の場合は関係書類の保存期限を超える古い案件のため、火葬場や市民課、住民課が連携して探してくれましたが見つからず、結局『出すことはできません』ということでした。
『そのかわり、埋葬許可証を発行したという証明書なら出せますよ』というのです。それがどれほどの効力があるのかわからないまま、とりあえず申請していただきました。
あとでお寺に聞くと『埋葬許可証の発行済証明書があれば全く問題はありません。受け入れます。それに改葬許可証を持っていない人も少なくありません。昔はそんな手続きなどなかったし、知っている人は少ないでしょう。改葬先のお寺が受け入れ証明をだせば何とかなるようです。』といわれてひと安心です。
おそらく、墓じまいをしなければ、こうした問題に直面することはないでしょう。
これであとは、墓石を撤去処分する石材店と永代供養をしてくれるお寺をさがすだけになりました。
調べてみると永代供養には、ただちに合祀するケースと個別の納骨堂に安置しておいて数十年後に合祀するケースがあってそれぞれお値段がちがいます。
前者が10万円くらいなのに対して、後者は少なくとも一人40万円ほどかかります。
それに安置しておく年数も10年、30年、50年などがあり、納骨のスペースも一人用から夫婦二人用、三人から七人の家族用まであって、こちらもお値段次第です。
いまや宗派や宗旨を問わずお寺は受け入いれ、墓じまいも20万円ほどで請け負うなど、お寺にとって永代供養は有力な経営手段になっています。
これからの少子化とともに墓じまいや永代供養の要望は高まるので、山でも買って樹木葬や永代供養の場所にすれば大きな収入になるにちがいありません。
ということで、これからは予算と相談しながら永代供養のお寺を決めなければなりません。簡単なようで決めるまでには悩ましい気分が続きそうです。